第3領域 顧客心理・セールスレター #3

メインテキスト

03-07 ホームページとLPは、役割が違う

売れないサイトの原因は、デザインではない

さて、心理とジャーニーが分かった今なら、多くの人が混同している問題に、明確な答えが出せます。

「ホームページとLPって、何が違うんですか?」

ページの長さでしょうか。縦長ならLP? 違います。

デザインのテイストでしょうか。それも違います。

答えは、たった一言です。

主語が違う。

売れないサイトの原因は、デザインではありません。主語です。

これが、第2領域の最後に予告した「主語のスイッチ」の種明かしです。

主語のスイッチ

LPは、主語が「あなた(お客様)」です。

「こんな悩みがありませんか?」「あなたも簡単に◯◯ができます」「あなたには、こんな未来が訪れます」

全部、主語は「あなた」ですよね。ターゲットに名指しで語りかけ、その人の悩みを指摘し、解決策を提示して、行動を促す。目的は、CV一択。

HPは、主語が「私(たち)」です。

「私たちの理念」「私たちのサービス」「私たちの強み」

自分たちのスキルや実績、世界観を伝え、共感してもらうことで信頼を構築する。目的の主体はあくまで信頼構築で、CVだけを目的にしません。

では、なぜ主語が分かれるのか。

この領域をここまで読んだあなたには、もう分かるはずです。

来る人の、心理状態が違うからです。

HPに来る人は、比較検討中の人。「ここに決めて、本当に大丈夫か」を確かめに来ています。信頼を確かめたい人に必要なのは、「私たちは何者か」の開示です。

LPに来る人は、広告や投稿でたった今、興味を持ったばかりの人。「これ、私のことかも」と思った瞬間の人に必要なのは、「あなたの悩みは、これですよね」という名指しです。

心理が違うから、主語が違う。主語が違うから、構造が違う。

HPは分岐装置、LPは直線装置

構造の違いを、言葉にします。

LPは、一本道です。

上から下まで、一人を説得し、一つの商品を売り切る。直線。途中の出口(余計なリンク)は作らず、出口はCTAだけ。

LPは直線装置であり、説得装置。「決めさせる」ページです。

つまりLPとは、3-2で学んだセールスレターの設計図を、そのまま縦に実装したページです。

HPは、交差点です。

訪れた人を目的別に分け、適切なページへ流す。サービスを知りたい人、料金を見たい人、人柄を確かめたい人、採用情報を探している人。目的が違う人たちを、正しい場所へ振り分ける。

HPは分岐装置であり、選別装置。「選ばせる」ページです。

LPは直線装置。HPは分岐装置。

この使い分けを言語化できるかどうかが、プロと作業者の分岐点です。

LPが成立する条件:一人に、一つを売る

「行動させたいなら、全部LPでいいのでは?」

そう思うかもしれません。でも、LPは強力ですが、万能ではありません。

LPが最大効率を発揮するのは、ターゲットが単数で、商品も単数のときだけです。

考えてみてください。初心者向け、中級者向け、法人向け。この3者を、一つのLPで同時に成約させようとすると、どうなるか。

初心者に刺さる言葉は、中級者には弱い。法人向けの論理は、個人には重すぎる。

LPは上から下まで一気に読ませる直線構造です。だから、「あなた」と呼びかける相手を、たった一人に絞る必要がある。ターゲットがぼやけた瞬間、誰にも刺さらないページになります。

商品が複数でも、同じことが起こります。制作、運用、コンサル、サポート。一枚で全部売ろうとすると、焦点が分散し、CTAも分散する。

人は、選択肢が増えると動けなくなる生き物です。

LPは、「一人に、一つを売る」ための構造だから、強い。

最強のハイブリッド:LP型HP

では、ターゲットも商品も複数ある、普通の中小企業はどうするのか。

分岐装置と直線装置を、組み合わせます。

TOPページはHP型。主語は「私たち」で、事業の全体を要約して信頼を作り、目的別に分岐させる。

分岐した先の個別サービスページは、LP型。主語を「あなた」に切り替えて、直線構造でじっくり口説く。

なぜこのハイブリッドが成立するのか。

TOPで正しく分岐させた時点で、個別ページでは「一人に、一つ」というLPの成立条件が満たされているからです。

……もう、気付いていますよね。

TOPページ=Weサマリー。下層ページ=Youメッセージ。

第2領域で、サイトプロット設計ベルテくんに最初から組み込まれていた、あの構造。

あれの正体が、このLP型HPです。ベルテくんの設計書の冒頭には、「主語のスイッチ」が絶対思想として定義されています。

思い出してください。ベルテくんが一番最初に「商品とターゲットは単数か複数か」を聞いてくるはずです。あの質問の正体も、今日の理論です。単数ならLP単体型が可能。複数なら、Weで分岐しYouで口説くHPが基本。中小企業は、基本こちらになります。

実例で見る

理屈だけだと弱いので、実例を2つ。

ある学習塾。リニューアル前は主語「当塾」のHP型で、キャッチコピーは「子どもの可能性を信じる塾」。塾長の20年の経歴が長々と続き、最後に小さな「コース案内」ボタン。問い合わせは月2〜3件、体験申込は月1件以下でした。

トップを主語「あなた」のLP型に変え、コピーを「志望校に落ちたくない中学3年生へ。偏差値を平均12上げる塾です」に。悩みへの共感セクションと、大きなCTAボタンを配置。

3ヶ月後、問い合わせは約3.5倍。体験申込は6倍以上になりました。

もうひとつ、ある整骨院。予算25万円で、HP型とLP型を「分けて」作りました。

HP型は「〇〇整骨院です」と名乗り、院内紹介とアクセスを載せ、検索・検討中・既存客の受け皿として機能させる。広告運用には、メインメニューだけの単独LPを別に用意し、「吐き気を催すほどの重度の肩こりで、デスクワークに集中できないあなたへ」と一点で訴求。

新規患者は月10人以下から、25人前後へ。2.5倍です。

主語と構造を分けただけで、これだけ変わります。

「プロにお任せします」と言われたら

クライアントに「HPがいいかLPがいいか、正直分からない。任せます」と言われたときの判断手順も、渡しておきます。

ステップ1:業界の標準パターンを見る。同じ業界のサイトを10個リサーチしてください。学習塾なら、トップで体験予約を促すLP型HPが標準。建築会社なら、信頼を高めてから問い合わせを促すHP型が標準。ここは、最短成約リサーチの出番です。型は業界標準に従えば大きく外しません。外すなら、相応の理由が要ります。

ステップ2:本当の目的を聞く。「このサイトを作って、3ヶ月後どうなっていたら成功ですか?」。第2領域でやった、数字のゴール設定です。問い合わせが欲しいなら、主力サービスのLPを優先。採用や融資に使える信頼が欲しいなら、HP型でいい。

ステップ3:2案を提示して、選んでもらう。「新規獲得に特化するLP型と、信頼感を重視するHP型の2パターンが考えられます。目標が問い合わせ増なら、こちらをお勧めしますが、いかがでしょうか」。

心理→主語→構造の理屈で語れる提案は、根拠を聞かれても崩れません。そしてこの提案ができた瞬間、あなたは「制作業者」ではなく「事業を考えてくれるパートナー」の席に座ります。

必要性と許容性

LPを作るなら、公開前に必ずこの2つが揃っているか確認してください。

必要性。「これが絶対に必要だ」と思わせる強い訴求。あなたが今までどうしてもできなかったことが、これでできる。あなたの痛みを、これで消せる。

許容性。「買ってもいいかな」と思わせる安心材料。返金保証。実績◯◯件。資格。専門家の推奨。

許容性だけあっても、魅力(必要性)がなければ買いません。必要性が強くても、怪しければ(許容性不足)逃げられます。

4つの壁で言えば、必要性は興味と行動の燃料。許容性は、信頼の材料です。

両方揃って、初めて人は動きます。

宿題:あなたのポートフォリオ、主語は誰ですか

最後に、ひとつ問いを置いておきます。

あなたのポートフォリオの主語は、誰になっていますか。

「私の実績」「私のスキル」「私の想い」。主語は「私」ですよね。

でも、あなたが本当に欲しいのは、仕事の依頼のはずです。

だったら、理想のお客様をたった一人まで絞り、主語を「あなた」にしたポートフォリオLPが作れるはずです。

誰の、どんな悩みを、どのように解決して、なぜあなたでなければいけないのか。

世の中のほとんどのWEBデザイナーは、「売れるサイトが作れます」と言いながら、自分のサイトで自分の商品を売ったことがありません。

自分の商品も売れないのに、他人の商品を売れるでしょうか。

ポートフォリオLPを作ることは、「事業者として自分を売る」ことに、初めて自分ごととして向き合うことです。この経験をした人だけが、お客様に本当に刺さるページを作れるようになります。

ベルテくんとの接続

第3領域のテストを突破すると、セールスレター設計ベルテくんとセールスライティング関係の武器が解放されます。

認知・興味・信頼・行動の壁を越えさせる設計図を組み、それを文章に起こす武器です。

使い方の作法は、もう言わなくても分かりますよね。

投げる前に、自分で仮の設計を持つ。この読み手は旅のどこにいて、どの壁の前で止まっているのか。主語は「私」で受けるべきか、「あなた」で口説くべきか。

その仮説があなたの頭にあるから、ベルテくんの出力を診断できる。

やればやるほど、ツールじゃなくて、あなた自身が強くなる。第3領域でも、同じです。

この領域のここまでのテスト

テストを受けるにはログインしてください。

解放武器・カスタマージャーニー設計AIベルテくん

LOCKED

この武器を見るにはログインしてください。


次のページへ

設計思想は、すべて渡しました。

ここから、第3領域の後半戦。技術の各論に入ります。

次のページは、4つの壁を越えるためのコピー技術を全部並べた、武器庫です。

タイトルとURLをコピーしました